
私は小学生の頃から、ずっと夢を持っていた。いや、覚えていない。もう物心ついたころから、ずっと思っていたことがある。
「女優になりたい」いつもいつも、そう思っていた。だから、映画もたくさん見ていた。
そして、小学校の高学年では、演劇部に入っていた。その演劇部では、自分には才能があるともてはやされていた。私は、演劇部の発表会があるからと、家の中で毎日毎日、お声で話して練習していました。
その時は、私の全てをかけて、発表会にむけての練習をしていました。
その頃から、毎日、毎日私は家族に宣言していました。「私は女優になる。」いつも、いつも言っていました。
そして発表会当日。私はこれまで感じたことのない胸の高鳴りを感じていた。ああ、今から始まるんだ。本当に興奮していた。
そして、幕が上がった。シーンとした講堂に、私にだけにスポットライトが当たっていました。幕が上がってからは、不思議なことに私は、緊張もしなかった。
これまで練習したからだろうか、いやそうではないかもしれない。何かが私の中に降りてきたような気がする。私はその時、考えなかった。何も考えることをしなかった。
ただ、完全に役に入りきり、自然に言葉がでてきた。全てのタイミング、全ての感情、顔の表情。全く意識することなく。
あっと言う間に、いや、それはあっと言う間のような時間であり、まるで全てが満たされたような永遠のような時間だったのかもしれない。
気がついたら幕が落ちていた。
終わったと思い、みんなの席に戻ろうとステージの外に出たとき、ぶわ~っとみんなが私の周りに集まった。みんなが口々に私の演技を絶賛した。すごい、すごいとみんながあまりに言うので、その時始めて、私はよかったのだなと少し思った。